トランスジェンダー結婚の現状とは?

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公開日:2026/02/09







「将来、パートナーと結婚したい」
この気持ちは、とても自然で、特別なものではありません。
けれど日本では、トランスジェンダーの方が結婚を考えたとき、法律や制度の壁にぶつかることが少なくありません。

本コラムでは、日本におけるトランスジェンダー結婚の現状を整理しながら、今の制度の中で考えられる現実的な選択肢や、結婚を見据えた準備について解説します。


日本における「結婚」の前提とは

日本の法律では、婚姻は戸籍上の「男女」によって成立する仕組みになっています。
そのため、結婚できるかどうかは、性自認ではなく戸籍上の性別が基準になります。

この点が、トランスジェンダーの方にとって大きなハードルになる理由です。
自分の性自認と戸籍上の性別が一致していない場合、パートナーとの関係性によっては、婚姻届が受理されないケースがあります。

つまり、トランスジェンダーの結婚問題は、
「個人の気持ち」ではなく
「戸籍制度と法律の仕組み」に深く結びついているのです。


戸籍上の性別変更と結婚の関係

トランスジェンダーの方が戸籍上の性別を変更するためには、家庭裁判所での手続きが必要です。
この手続きには、医師の診断書や一定の要件が求められます。

近年、性別変更をめぐる要件については見直しの動きがあり、社会的な議論も進んでいます。ただし、すべての条件が緩和されたわけではなく、運用や判断はケースごとに異なるのが実情です。

特に注意が必要なのが、
「すでに婚姻関係にある場合」や
「将来的に結婚を考えている場合」です。

性別変更と結婚の順序によって、選択肢が変わることもあるため、早い段階で専門家に相談することが重要とされています。


同性婚が認められていない現実

トランスジェンダー結婚の話題は、同性婚の問題と切り離せません。
現在の日本では、同性婚は法的に認められておらず、国としての制度整備はまだ途上にあります。

裁判や自治体レベルでの議論は活発になっていますが、
「全国一律で結婚が可能」という状況には至っていません。

そのため、
・性別変更ができた場合にのみ結婚できるケース
・パートナーとの性別の組み合わせによって結婚できないケース
といった、複雑な状況が生まれています。


それでも「結婚」を考えるときの選択肢

では、現在の制度の中で、トランスジェンダーの方が結婚を考える場合、どのような方法があるのでしょうか。

1.戸籍上の性別変更を検討する

法的な婚姻を目指す場合、戸籍上の性別変更がひとつの選択肢になります。
ただし、身体的・精神的な負担、時間、費用なども含めて慎重に考える必要があります。

「結婚のために変更する」のではなく、
「自分の人生設計の中でどう考えるか」
という視点が大切です。

2.パートナーシップ制度を活用する

多くの自治体では、法律婚とは別に、パートナーシップ制度を導入しています。
これは結婚と同じ法的効力はありませんが、以下のような場面で役立つことがあります。

・賃貸住宅の契約
・病院での面会や説明
・行政サービスの一部利用

大阪市をはじめとする都市部では、制度の認知も進み、賃貸不動産会社でも対応経験が増えてきています。

結婚という形にこだわらず、「生活を安定させる」ための現実的な選択肢として利用されることも多い制度です。

3.海外での結婚という考え方

同性婚やジェンダーに配慮した制度が整っている国で、結婚をするという選択をする方もいます。
ただし、日本の戸籍上で婚姻として認められるかどうかは別の問題となるため、在留資格や相続、税制などについて事前の確認が欠かせません。


結婚と「住まい」の現実的な問題

結婚を考えるとき、必ず出てくるのが「住まい」の問題です。
同居、賃貸契約、名義、保証人など、生活に直結する話が増えてきます。

最近では、
「LGBTQに理解のある不動産会社」
「パートナーシップ制度に対応した賃貸」
といった検索が増えており、地域密着型の賃貸不動産会社でも対応の幅が広がっています。

大阪・天王寺・阿倍野などのエリアでは、
二人入居やパートナー関係について事前相談できる不動産会社も増えてきました。

結婚の形がどうであれ、
「安心して暮らせる住まい」を確保することは、人生設計においてとても重要です。


社会は少しずつ変わっている

トランスジェンダー結婚をめぐる制度は、まだ完成形とは言えません。
それでも、裁判、自治体、企業、そして現場レベルでは、確実に変化が起きています。

・制度の見直しを求める声
・当事者の経験の共有
・理解を前提としたサービスの増加

こうした積み重ねが、将来の選択肢を広げていくことにつながります。


まとめ:結婚の形はひとつではない

トランスジェンダーの結婚をめぐる現状は、
「できる/できない」で単純に区切れるものではありません。

法的な結婚
パートナーシップ制度
事実婚や生活共同体としての選択

どれが正しい、という話ではなく、
自分たちにとって無理のない形を選ぶことが何より大切です。

結婚を考えることは、人生を考えること。
制度に振り回されすぎず、頼れる専門家や、理解のある不動産会社・支援先を見つけながら、一歩ずつ進んでいくことが、現実的な「結婚を実現させる方法」と言えるでしょう。



 2026年に注目したいLGBTQ関連行事

?? Tokyo Pride 2026(東京プライド) — 6月開催予定

東京では毎年恒例となっている「Tokyo Pride」が、**2026年6月6日(土)・7日(日)**に開催される予定です。
愛と多様性を祝うパレードやフェスティバルだけでなく、ユース向けプログラム、アート展示、人権会議など多彩なイベントが組まれており、単なるお祭り以上に文化と社会の理解を深める場として注目されています。交流・参加・ボランティアなど関わり方もさまざまです。

  • Pride Parade & Festival:6/6〜7(代々木公園・渋谷〜原宿)

  • Youth Pride(ユースプライド):6/13〜14(渋谷)

  • Queer Art Exhibition/Human Rights Conference:6月中(東京都内)

このように、プライド月間(Pride Month)の中心的な行事として、東京がLGBTQの可視化・理解に向けた多様な取り組みの場となっています。


Rainbow Ski Festival in Hakuba(白馬レインボースキー) — 3月開催

日本では東京以外でも、**白馬を舞台にした「Rainbow Ski Festival Hakuba 2026」**が、3月6〜15日ごろに開催予定です。
冬のスポーツとLGBTQコミュニティを組み合わせたフェスティバルで、全世代・家族連れでも楽しめるイベントとなっており、地域の人や旅行者にとっても新しい出会いの場になっています。