公開日:2025/05/09
トランスジェンダー婚活
近年SNSやニュースでも取り上げられる場面が増え、目にする機会が増えたトランスジェンダーという言葉。
みなさんその意味をご存知でしょうか?
本コラムではその意味とトランスジェンダーの方が抱える婚約についての問題点を挙げていきたいと思います。
トランスジェンダーの意味とは
トランスジェンダーとは、生まれたときに割り当てられた性別と、自分が認識している性別(性自認)が一致しない人々を指す言葉です。
例えば、出生時に「男性」と判断されても、自分自身を「女性」またはそれ以外の性別として認識する場合、その人はトランスジェンダーとされます。
性別の在り方は多様であり、男性・女性の枠に収まらない「ノンバイナリー」なども含まれることがあります。
結婚するにあたっての問題点
日本におけるトランスジェンダーの人の婚約・結婚に関する事例や問題点は、法律の厳格さと社会的認識の遅れが背景にあります。以下に、日本特有の事例や制度を交えて詳しく説明します。
1. 性別変更に関する法律:性同一性障害特例法(2004年施行)
日本では、戸籍上の性別を変更するためには「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」に基づき、以下の要件を満たす必要があります。
・20歳以上であること
・婚姻していないこと
・子どもがいないこと(未成年の子どもがいないこと)
・生殖腺や生殖機能がないこと(手術を受けていること)
・永続的に他の性別に近い身体的状態にあること
つまり、結婚前に戸籍上の性別を変更するには、手術や不妊が条件とされており、トランスジェンダーにとって非常に高いハードルになっています。
2. 異性婚しか認められていない現状
日本の法律では、同性婚は認められていません(2025年5月時点)。
そのため、トランスジェンダーの人が戸籍上の性別を変更していない場合、「同性」と見なされて婚姻届が受理されないケースがあります。
・戸籍変更前のトランス女性(出生時男性)と男性が婚姻しようとしたが、法的には「同性婚」と見なされ不受理になった。
・性別変更後に結婚しようとしたが、「過去に子がいたこと」が理由で戸籍上の性別変更が認められず、結果的に結婚もできなかった。
3.裁判事例と動き
2023年10月、最高裁が「生殖腺除去を要件とするのは違憲の可能性がある」とする判断を下し、法改正の議論が進んでいます。
また、複数の自治体(札幌・東京・大阪など)では、同性パートナーシップ証明制度が導入されており、事実婚に近い形で行政サービスを受けられるケースもありますが、法律上の結婚とは異なり、法的権利(相続・配偶者ビザなど)は得られません。
日本でのトランスジェンダーの方の結婚に対する取り組み
・司法の取り組み
2024年、東日本の家裁が、結婚中のトランスジェンダー夫婦に対し、性別変更を認める異例の判断を下しました。
これまで、性別変更には「非婚要件」があり、結婚中の当事者は性別変更が認められないとされていましたが、今回の判断では、同時に性別変更を行うことで同性婚の状態が生じる可能性を排除し、非婚要件を欠いていても変更を認めるべきだとされました。
この判断は、他の裁判所を拘束するものではありませんが、今後の類似の申し立てに影響を与える可能性があります。
・自治体の取り組み
日本では、2015年に東京都渋谷区と世田谷区が同性カップルを対象とするパートナーシップ証明制度を導入して以来、全国で320以上の自治体が同様の制度を導入しています。
これにより、LGBTQ+カップルは、住宅や医療、福祉などの面で、結婚しているカップルと同等に扱われるようになっています。
ただし、養子縁組や相続、配偶者ビザなどの法的効力は及びません。
た、兵庫県明石市では、全国で初めて、パートナーだけでなく子どもを含む家族の承認・証明書を発行する「明石市パートナーシップ・ファミリーシップ制度」を導入しています。
これにより、医療機関などでも家族として入退院の手続きが可能となっています。
・民間の取り組み
民間の結婚相談所でも、LGBTQ+の人々を対象としたサービスが提供されています。
例えば、日本LGBTサポート協会は、性別やセクシュアリティに捉われない「人生を変える生涯レベルの縁結び」を提供しており、全国レベルで真剣なパートナーを探す支援を行っています。
課題と今後の展望
現行の「性同一性障害特例法」では、性別変更の際に「非婚要件」が設けられており、結婚中の当事者が性別変更を行うことが難しい状況です。また、同性婚が認められていないため、法的効力を持つ結婚ができないという課題もあります。
これらの課題に対処するため、法改正や社会の理解が進むことが期待されています。
この様な取り組みは、トランスジェンダーの人々が結婚やパートナーシップを築く際の支援となっていますが、法的な整備や社会的な理解の向上が今後の課題です。
引き続き、司法や自治体、民間の取り組みが重要となります。
まとめ
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